今日のテーマは、『2022年度以降も、会社員を取り巻く環境は厳しさを増す』です。
3月31日、2021年度の最終日となりました。
恐らく、忙しくされている方々も多いと思います。
多くの企業にとっても、下期の最終日となるため、
私自身、会社員時代は駆けずり回っていた時です。
そして、明日からは淡々と新たな期が始まる(笑)
諸行無常を感じますが、節目として大切な時です。
そこで、明日からの『2022年度』を見据えて、
社会の潮流変化を、1つご紹介したいと思います。
直近、
一部上場の大企業を中心として、新たな雇用制度、
『ジョブ型雇用』なる給与制度採用が目立ちます。
かつて、
日本型雇用の象徴だった『年齢』の要素を排除し、
『職務』に応じて、賃金を決定するシステムです。
実際、
総合メーカー富士通は、労働組合と協議した上で、
合意した場合は、4月から新制度へと移行します。
更に、
通信大手KDDIも、明日からの独自制度導入が決定。
私自身、
20代を『会社員』として過ごしましたが、当時は、
給与明細に『年齢給』『職能給』が明示されていた。
つまり、
『年齢』という要素により給与がアップすることが、
明確に示され、社会的にも認められていたという事。
当然、今、このような制度は『形骸化』しています。
世界的視点では、至極、スタンダードな流れですね。
しかし、
仮に、年齢を重ねても『職能』を上げられなければ、
中高年層にとっては、単純に賃下げになってしまう。
その為、
『ジョブ型雇用』という新たな時代(?)の概念は、
誰からも好意的な反応が得られる訳ではありません。
何れにせよ、
『会社員』という立場であっても、『事業者』同様、
『創出する価値』で評価される時代が到来しました。
元々、
税金・社会保険料の負担率という観点で考えたとき、
『会社員』という立場は、相当分が良くありません。
確定申告後、
会社員の年収に匹敵する額の納税が決定しましたが、
収入額全体から考えた負担率は、まだまだマシです。
話を戻すと、
『年収500万円』という条件の会社員を考えた時、
社会保険料(年金・健康保険)は、およそ70万円。
*独身・単身、扶養家族なしの条件で考えています。
更に、
所得税14万円、住民税25万円の年間負担があり、
可処分所得は『390万円』程に減少(?)します。
総支給額(給与額面)を起点として考えを進めた時、
実に20%超もの『源泉徴収』を受けることになる。
この辺り、
作家の橘玲さんは、自らの著書の中で『会社員』を、
『惜しみなく奪われる人々』と独特な形容をします。
確かに、
日本政府サイドから見た時、源泉徴収制度によって、
最も忠実に納税してくれる、ありがたい存在ですね。
その為、会社員に対して、今後も攻勢は強まります。
先日、
改正雇用保険法が成立しており、今秋、10月以降、
雇用保険の保険料率がアップする事が決定しました。
先ほどの事例『年収500万円』という人であれば、
現行の負担額から、一気に約7割上昇する事になる。
繰り返しますが、この動きは、今後の時代も継続です。
冒頭でも書きましたが、
自ら創出した『価値』に応じた報酬が得られるのは、
今後、『会社員』も『事業家』も関係なくなります。
前者であっても、これまでの働き方は通用しません。
にも関わらず、
税金・社会保険料負担率の観点では、今後の時代も、
『会社員』は分が悪い立場を強いられることになる。
つまり、
『会社員』を専業で取り組む方々が、最もババを引く。
そろそろ、改めて『働き方』を考える時かも知れない。
節目のとき、少しでもご参考にして頂けたら幸いです。
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