今日のテーマは、『なぜ、突如として資産所得倍増計画は持ち上がったのか??』です。
昨日の公式ブログでは、
『資産所得倍増計画は、果たして実現するか??』と題して、
GW期間中に行われた、英国講演を抜粋してご紹介しました。
少し振り返ると、
2022年現在、日本の国民資産は『2000兆円』を超え、
この金額は、世界的に見ても『トップクラス』に位置します。
しかし、
その一方で、半分(1000兆円)以上が預貯金として眠り、
その状況が、経済的観点で、日本が低迷しつづける理由です。
実際、
直近10年間、日本の金融資産の伸びは『1.4倍』に留まり、
米国(約3倍)英国(2.4倍)にも大きく水を開けられます。
元々、
日本国内においての『資産所得』のイメージはネガティブで、
積極的に追い求められてなかったことも大きいかも知れない。
この辺り、
WGIP(戦後教育)の賜物か、敗戦から約80年経過して尚、
『お金は額に汗して稼ぐもの』なる思想が染み付いています。
しかし、
『資産収入:配当所得等』をネガティブに捉えるという点は、
個人的には、絶対的に『間違っている』と感じているのです。
何故なら、
預貯金ではなく、自らの『お金』を投資市場に投げることで、
企業は資金調達が可能になり、繁栄する可能性が出てきます。
それにより、
『利益』が生み出された結果、分配されるものが配当であり、
抽象度を上げて考えると、債権等も全く同様のロジックです。
決して、
間違って伝わって欲しくないのは、労働所得は否定ではなく、
常々お伝えする通り、私自身、FP業はこれからも継続します。
しかし、
両者(労働所得・資産所得)は、性質を完全に異にしており、
増殖スピードは、圧倒的に後者(資産所得)に分があります。
2013年、
フランス経済学者:トマ・ピケティ著『21世紀の資本』が、
日本国内でも大々的に取り上げられて、話題になりましたね。
その本文中、
不等式『g(経済成長)<r(投資リターン)』が紹介されて、
歴史的に、常に、後者が前者を上回ることが証明されました。
人生において、
知っている・知らないで大差がつくことは幾つかありますが、
前述させて頂いた不等式も、間違いなくその1つと考えます。
話を戻すと、
今回の講演で岸田首相がフォーカスした『資産所得』ですが、
なぜ、それを利用する必要性が生まれてきたのでしょう??
恐らく、
賢明な読者の方々は、簡単に察しがついていると思いますが、
すべては、既存の『年金システム』という問題に帰結します。
現時点ですら、
公務員、一部の会社員(上場大企業)を退職した方を除いて、
順風満帆な『年金ライフ』を謳歌できる人はいないでしょう。
無論、
様々な要因(経済停滞、少子高齢化、人口構成の歪化等)で、
『年金システム』を取り巻く状況は、一層、厳しくなります。
以前、
岸田政権が、一瞬だけ掲げていた『令和版所得倍増計画』は、
純粋に、日本の経済成長を『実業』に懸けているものでした。
しかし、
それは、ほぼ『実現不可能』なことが瞬間的に判明したため、
新たな解決策(?)で提唱されたのが『資産所得倍増』です。
国民生活を維持していくための、『苦肉の策』とも言えます。
それでも、
決して、問題が『根本解決』に至ることはないでしょうから、
『延命措置』と表現する方が、より正確と言えるでしょうか。
それだけ、厳しい時代が到来していることの『サイン』です。
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