今日のテーマは、『想定内の米国債デフォルト回避、それでもリスクは燻り続ける:前編』です。
既にご存知の通り、
日本時間5月28日10時、米・債務上限引上げ問題が、
無事(?)『基本合意』に至ったことが公表されました。
この問題を巡っては、
早期に債務上限の引き上げを求めていたバイデン政権と、
野党・共和党マッカーシー議長の意見が真っ向から対立。
仮に、
合意に至らない場合、米財務省は資金枯渇(*)に陥り、
史上初、米国債がデフォルトに陥ると言われていました。
*当初は『6月1日』とされていたXデーも、その後は、
若干の猶予が生まれて『6月5日』とされていました。
何れにせよ、タイムリミットが直近に迫ってたんですね。
これを受けて、
これまで最高ランクの信用を与えていた格付会社各社も、
米国債の格付けを、引き下げる可能性があることを示唆。
もしも、
本当にデフォルトを迎えた場合、一国の問題に留まらず、
世界経済全体へと影響が波及すると懸念されていました。
しかし、
以前からお伝えする通り債務上限を巡る与野党の攻防は、
劇場型で、完全に『ポーズ』に過ぎないとしてきました。
実際、
前述の交渉が決裂した場合、反対派・共和党議員は勿論、
世界経済をリスクに晒し、資本主義を揺るがす可能性も。
間違っても、そのような選択が為されるはずありません。
それでも、
米国債がデフォルトの可能性は『ゼロ』ではないですが、
その時が来るとすれば、下記2つの条件を満たしてから。
1つは、
世界経済に対する、同国の影響力・寄与度が下がること。
もう1つは、
現在保有する『基軸通貨特権』を他国に奪われた後です。
話を戻すと、
今回、想定内とは言え、債務上限交渉が合意したことは、
市場に織り込まれた『リスク』を払拭する点ではプラス。
併せて、
2023年後半から、政策金利の『利下げ』が始まれば、
2024年以降、一気に投資市場に上昇圧力が働きます。
ただし、
債務上限交渉に合意する際『交換条件』として提示した、
米国政府の支出抑制策(10月以降)は新たな火種です。
扱い方を間違えば、
前述した『上昇相場』がスタートする前ステップとして、
一旦リセッション(景気減速)を挟む可能性も十分ある。
資産形成の実行中の方々は、精神面での備えが必要です。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太