今日のテーマは、『あなたは、人生100年時代を素直に喜べますか??』です。
先日、
私が子供の頃から続く某情報番組の録画を見ると、
秦時代の『始皇帝』のテーマが取り上げられていました。
歴史に造詣がない人でも、必ず一度は聞いたことある名前ですよね。
戦乱続く当時の中国、7つの国を統一し、
歴史上初めて、『秦王朝』として統治することが出来た人物です。
日本の社会科教科書においては、
『武力統治』というイメージが植え付けられているかも知れません。
享年45サイト、現代で考えれば若くして亡くなりましたが、
その『短期間』で大仕事を成し遂げた彼の人生は、想像を絶する激動だったと推測します。
全く知らなかったのですが、
中国内陸の都市・西安に彼の亡骸は埋葬されており、
栄華を極めた彼の墓は、世界遺産に登録されるほど壮大且つ広大な規模を誇ります。
それで、
約45年前に発見された遺跡では、
『兵馬俑』と呼ばれる、精巧に造られた人形が多数出土しており、
始皇帝は、それにより当時の秦王朝を表現したと言われています。
これだけで、
相当数の人間、時間、労力、お金がかかった事が分かりますが、
驚くべきは、それも『始皇帝』を祀る宝飾品の一部という位置付けという事。
実際に、
インターネット等で画像検索して頂けたら分かりますが、
大規模な体育館程の施設の中に整然と並ぶ『兵馬俑』が、
言わば『おまけ』とは、始皇帝の権力の絶大さが垣間見えます。
このように、
自身の亡骸を壮大に奉った『始皇帝』ですが、
この時代の権力者共通の願いとしては、『不老不死』があった事は間違い有りません。
彼にとって、
本当に望むものは『永遠の命』であり、
当時から考えると、現在言われている『人生100年時代』は、
『永遠』では無いものの、感覚的に近付いている事は確かです。
2019年現在の世界に、もしも『始皇帝』が生きていたとしたら、
権力をより長く行使出来た彼は、『狂喜乱舞』していた事でしょう。
よく言われる事ですが、
日常生活の様々な面で、私たち日本人の多くは、
歴史上のあらゆる王族・貴族より便利で快適、衛生的な生活をしています。
その上、
前述のように『人生100年』という途方もない時間生きれますから、
数百年、1000年、2000年前の彼らからしたら、夢の世界を生きている事になるのです。
『しかし』、という話です(笑)
『人生100年時代』を、私たちは素直に喜ぶことが出来るのでしょうか??
確かに、
前述させて頂いた通り、当時の王族・貴族の生活と比較しても、
現代日本人のそれは『物質』『水準』共に豊かである事は確かです。
しかし、
世界トップレベルの経済大国まで上り詰めたこの国は、
昨日の公式ブログでもご紹介させて頂いた通り、『破綻』に向かって進み続けています。
例えば、
人口ピラミッドの歪化から『社会保障(年金・健康保険)システム』は崩壊し、
今後10年、20年通して『持続可能』であると考える人は殆ど存在しません。
『古き良き時代』は既に過ぎ去り、
会社員として『真面目に』『長期間』働き続けたとしても、
それが『経済的リターン』として返って来るかと言えば、甚だ疑問です。
むしろ、『否』という方がリアリティー有りますよね。
かと言って、
国家・会社が準備してくれていた既存の『保障』に依存せずに、
自らリタイア後の『資産形成』をしているかと言うと、そういう方々も『少数派』。
大多数は、
『生きている間、可能な限りは働き続ける!』という戦略を取っており、
『雇用確保』『能力・健康維持』の観点で考えると、正に『綱渡り』という状況です。
更に、
最近では(依存した人生を送る方々に)悲しい報道も出て来ていて、
各自治体が『長寿』の方々に記念として出していた『お祝い金』が、
全国的に軒並み『減額』『打切り』に追いやられています。
某全国紙の報道では、
『茨城県行方市』は、市内在住者を対象にこれまで行って来た、
『88歳(米寿)』の祝い金を、これまでの『1万円』から半減する事を決めました。
この制度は、
2006年に条例化してスタートしたものですが、
当初2006年度に『141人』だった『88歳(米寿)』の市民は、
昨年2018年度は『303人』と倍増するまでに増加しています。
更に、
2035年には『団塊の世代』も大量にこの節目を迎える事も有り、
今後、お祝い金の『制度そのもの』の存続すら、危ぶまれています。
今後の流れとしては、
『健康保険』に関しても適応の幅が狭まり、加えて負担が増加し、
『年金』についても、現行の支給額から、年々減少の一途を辿る。
その上、
行政からの『お祝い金(気持ち)』まで減額・制度打切りとなれば、
『踏んだり蹴ったり』の状況と言えますよね。
『人生100年時代』
人類数千年の歴史から考えれば、平均値としての寿命は驚異的に伸び、
過去において、王族・貴族すら手に入れられなかったものが得られる時代になりました。
しかし、
いくら単純に『寿命』が伸びたとしても、
『健康』に加えて、『経済的基盤』が保たれてなければ意味がありません。
タイトルの質問です。
あなたは、『人生100年時代』を素直に喜べますか??
『人生100年時代』を生き抜く事が出来る、
『経済的基盤』をきちんと築いているでしょうか??
『長く生きる事』が、単純に喜べない時代がこれからやって来ます。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太