今日のテーマは、『日本市場でも繰り返される、不動産バブルの現状②』です。
昨日の公式ブログでは、
『日本市場でも繰り返される、不動産バブルの現状①』と題して、
『素人・サラリーマン大家の急増』と『個人融資額の急増』から、
日本市場における『不動産バブル』のサインについてご紹介しました。
業界関係者の方々は理解されていると思いますが、
上記事例に限らず、現在では『警鐘サイン』は至る所で鳴り続けています。
その1つが今日ご紹介させて頂くもの。
『不動産業者』と『サラリーマン大家』が結託して、
金融機関から融資を引き出す際、資料を改竄して融資を引き出したという報道の多発です。
一昨日の公式ブログでは、
日本で不動産取得を考える場合、融資は『ノン・リコース・ローン』の形式が取られ、
この点が、同じ不動産取引をする場合でも『米国』のそれと全く異なるポイントです。
つまり、
『日本』における不動産投資に踏み切る場合、
仮に、様々な理由で、ローン返済が不可能に陥ってしまったとしても、
『物件売却額』と『ローン残債』のギャップは免除されないという事。
2019年現在、
通常の感覚で考えて、取得後に『価格上昇』を見せる不動産物件は、
日本中、どこを探しても、首都圏中心部にすら、存在していません。
その状況で、
『ローン返済』の中途段階で、物件を手放すという事は、
かなり高い確率で、『ローン残債:ギャップ』を背負うことを意味しています。
分かりやすく言えば、
『物』は手放しても、『ローン』は残るという『最悪な状況』ですね。
本来、
金融機関は、『自己資本』と乖離した『信用創造』で融資を行うので、
被融資者からの『ローン返済』が途中で滞ってしまっても、
『該当不動産』さえ差し押さえできれば、余りある『資金回収』です。
要は、『不良債権』などは、現実には存在していないこと。
元々、
金融機関サイドは、保有していないお金を『信用創造』で融資するので、
回収機スタート早々に『自己資金』部分は回収し終えており、
その後の返済部分はボロ儲け、これは、不動産差し押さえでも同様です。
ただし、
流石に、その状況に胡座(あぐら)をかいて、
返済リスクの高い人間への融資を増やせば、世間的に『モラル』を問われます。
特に、
昨年、大問題になった『かぼちゃの馬車・スルガ銀行問題』を契機として、
業界を取り巻く、『投資用マンション』への融資環境は一変してしまいました。
しかし、
代表格となった『かぼちゃの馬車・スルガ銀行問題』だけでなく、
同様の事例は、業界内で潜在的に今も存在し続けており、続々表面化しつつあります。
最近では、
投資用アパート販売業者として、業界内では有名な『TATERU』が、
業績不振から、全社員400名のうちの『136名』を削減した報道が出ました。
業績悪化の主因は、
宅地の売買契約において、『金融機関』から融資を受けやすくする為、
『預金残高』を改竄した資料により、融資を引き出した事例が明るみに出たこと。
これは、
明らかな『宅地建物取引業法違反』であり、同社は、今年7月12日から1週間、
宅地建物取引業に関わる『全業務停止』という行政処分を受けることになります。
当然、
その期間は、保有する『投資用アパート販売』を停止せざるを得ず、
『信用凋落』も重なって、業績・資金繰り共に悪化する『負のスパイラル』に陥ります。
過去の業績を見ると、
2010年12月期に『約26億円』を記録していた同社売上高は、
僅か7年後、2017年12月期には『約670億円』まで急増しています。
また、
『純利益』としても、年間約40億円』を計上しており、
その前年(2016年)12月に『東証一部上場』するなど、
活況な不動産業界においても、正に『昇り竜』的存在でした。
しかし、
過去を紐解いても、『バブル形成期』に『歪』が発生するのは世の常で、
『素人』が『パーティー』に流れ込んでくる時期には、後先を考えず、
あらゆる手段を講じて、『該当投機対象』はここぞと投げ売りされます。
その一例が、
今回、『不動産市場』で巻き起こった『資料改竄融資問題』であり、
その『異常行動』を選択してまで、投資しようという流れが、完全に『バブル』です。
『TATERU』以外の企業でも、
同様の問題は、業界内に、未だ多く内在していると聞きますし、
これは、将来的に作動する『時限爆弾』が、市場にバラ撒かれている事を意味します。
また、
前述した『融資環境の変化』や『不動産価格の下落転換』という観点から、
新たな『不動産(土地含む)取得』を手控える業者も、少しずつ出始めたと聞きます。
こういった点から考えても、
日本における『不動産市場』は、既に『(過)飽和状態』にあり、
『日本国デフォルト』よりも近い将来、『リセッション(景気後退)』局面を迎える事は確実です。
奇しくも、
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パラリンピック含めて、その前後が『Xデー』になると考えるのが自然です。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太