今日のテーマは、『コロナ禍、健康保険システムも破綻に向けて加速している』です。
久しぶりに、『社会保障』について書こうと思います。
『米国・大統領選の動向』や『新型ウイルス』に関係なく、
もともと、日本の社会保障制度は、危機に瀕していました。
『公的年金』
『健康保険』
『介護・福祉』
大きく分けて、この『3つ』に分類することが出来ますが、
一般的な利用頻度でいえば、前半2つに集約されますよね。
勿論、
『社会保障』全体として確保されている財源についても、
年金・健康保険2分野だけで、大勢が占められています。
そして、
世界をリードして進み続ける『(超)高齢化社会』により、
その必要額は、年々、日本国内でも増加の一途を辿ります。
正直、
『歳入』と『歳出』の収支バランスは、既に、破綻が見えていますね。
事実、
『公的年金システム』については、日本政府からも、
『悲鳴』に似た通達・サインが毎年出続けています。
『公的年金は、将来的にアテにしないでね』、と。
この辺り、
近年、急激に『終身雇用制度』を反故しようとする、
日本企業の『雇用体系』にも通じる所が有りますね。
所属する方々は、
将来的に、自らの『終身雇用』が無いと知りながらも、
『行ける所まで行こう』と、ただただ息を潜めている。
『公的年金』も、
『現行水準』には到底及ばない、雀の涙制度になると知りながら、
日本国民の大半は、『具体的な対策』を打たずに過ごしています。
きっと、近い将来、『大問題』が顕在化します。
日本においても、
『持つもの』と『持たざるもの』の経済格差が拡がり、
両者は『別世界』に住む社会が到来すると予想します。
また、
その『危機的サイン』が発信され続けるものとしては、
『健康保険システム』も、全く同様だと感じています。
先日、
主に、大企業の会社員が加入する健康保険組合の全国組織、
『健康保険組合連合会』が、短期財政試算を公表しました。
それによると、
2021年度『▲6700億円』、2022年度『▲9400億円』と、
天文学的な『マイナス』を叩き出すことが、現時点で、判明しています。
現行、
会社員が加入する『健康保険』の保険料は、賃金に対して、
『平均9.2%』を労使折半する形式で、徴収されています。
前述の通り、
『労使折半』されているとは言え、保険料率も年々上昇し、
会社員の方々の『可処分所得』を侵食し続けていますよね。
また、
現在、この水準で止まる『健康保険料率』も、相当な確率、
今後については、上昇カーブを描いていくことになります。
それで、
前述試算について、収支を『トントン』に持っていく為には、
保険料率を『10.5%』まで大幅上昇させる必要がある、と。
僅か『2年間』の短期間にこの上昇率ですから、
『感覚』を伴って負担額が上昇すると思います。
更に、不安要素は大きく『2つ』残ります。
1つは、今後の『新型ウイルス』の動向如何により、
会社員の方々の『収入』がマイナスに変動する事で、
『料率アップ』では賄い切れない可能性があること。
あくまで『報酬額』に対して保険料が決定される制度なので、
そもそもの『賃金』が減少したら、必然徴収額も下がります。
もう1つは、
仮に、この『コロナ禍:負のスパイラル』を乗り切ったとしても、
団塊世代が『後期高齢者(75歳以上)』に突入する2022年、
それ以降の『医療費』は、継続的爆増が予想されていることです。
これを乗り切る為には、
単純に、給付を削減する(適応範囲を縮小する)か、
保険料収入を上げる(保険料率を上げる)しか無い。
場合によっては、
その『両方』を断行することが決定されそうですが、
それでも『制度維持』が可能かは不透明なままです。
年金同様、
『健康保険』も、裏では財源が繋がる奇妙奇天烈な制度ですが、
最近では、後期高齢者の窓口負担2割も既定路線となりました。
この数字も、
近い将来、『現役世代:4割〜5割』『高齢者:3割』と、
どんどん上昇の一途を辿っていくことになるのでしょうね。
単純に、
『収支バランス(足し算・引き算)』の話なので、
それ以外に、解決できる方法は存在しませんから。
もともと、
壊滅的だった『健康保険システム』ですが、その破綻速度も、
残念ながら、『新型ウイルス』によって加速させられました。
激戦が続く『米国・大統領選』の動向にも注目しながら、
こちらの恒常的な問題も、念頭に置いておいてください。
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