今日のテーマは、『果たして、これは資産形成:投資と呼べるのだろうか??』です。
恐らく、資金投入されている方々は気付かれています。
直近1ヶ月、暗号資産(仮想通貨)市場の値動きが荒い。
日本時間4月12日、
代表通貨『ビットコイン』は過去最高値(6万ドル超)を付けますが、
諸々の『ネガティブ要因』により、一時3万ドル付近まで急減します。
実に、『50%』もの価値が吹き飛んだことになりますね。
その後、
取引価格は、幾分回復を見せており、本日(5月24日)付で、
4万ドル付近を推移しますが、最高値から考えて40%減です。
少しだけ、ことの経緯を振り返りましょう。
そもそも2021年初、
総額として『1兆ドル』未達だった暗号資産(仮想通貨)市場は、
『5ヶ月間』という僅かな期間で、『2.5倍超』にも膨張します。
実際、
昨年(2020年)末、前述の代表通貨ビットコイン取引価格は、
『史上初の3万ドル突破なるか!』のレベルで話題になりました。
その後、
テスラ・モータースのカリスマ経営者イーロン・マスク氏が、
同社の自動車購入の正式決済手段として、同通貨採用を発表。
これを受けて、
米国・金融街の投資系銀行も『ポジティブ派』に寝返りを見せ、
暗号資産(仮想通貨)市場には、一気に『追い風』が吹きます。
また、
同通貨が、採掘『半減期』の翌年は上昇するとのジンクスも、
取引価格の高騰を正当化して、上昇圧力に拍車が掛かります。
2017年、
市場参加者は、十分な『痛み』を経験したと思うのですが、
私たちは、自ら信じるほど『学習能力』が無いのでしょう。
若しくは、
4年前とは、完全に『市場参加者』が入れ替わっているか、
投資の世界で、最も危険な『4つの言葉』を唱えるかです。
最も危険な『4つの言葉』、覚えていますか??
私の記憶が確かなら、1ヶ月以内にご紹介しました。
【This time is different:今回だけは、違う】
恐らく、
投資・金融に関わる方々であれば、理解されるでしょうが、
この『4つの言葉』を唱え始めたら、その人物は末期です。
話を戻します。
代表通貨『ビットコイン』の取引価格上昇と連動する形で、
膨張し続けてきた暗号資産市場に、陰りが見えたのは今月。
皮肉にも、
今回の『バブル』を形成するきっかけとなったテスラ社が、
決済手段としての取引停止を、突如として、発表しました。
イーロンマスクCEOは、その理由を、
『採掘に必要な電力消費が、環境問題に関わる為』と述べますが、
既に、市場参加者はそれを「ポジション・トーク』と見抜きます。
その後、
『テスラ社として、保有分の売却は行わない』事を公表しますが、
一度、市場全体に広がった動揺は、簡単には解決出来ていません。
イーロン・マスク氏自身、
個人資産としての保有分も『売却しない』意向を示していますが、
その発言に対しても、市場参加者は冷静で、冷ややかに感じます。
また、
中国の金融当局が、暗号資産(仮想通貨)取引について、
規制強化の動きを示したことも、痛手になりましたよね。
先週5月18日、
中国の3金融・銀行監督機関は、自社の顧客に対して、
暗号資産全般に関わるサービスを提供しないよう指示。
直近、
荒い値動きを続ける市場に対して、明らかに危機感を強めており、
『人民財産の安全に有害で、経済・金融秩序を乱す』と述べます。
その後、
金融当局も、採掘(マイニング)を含めた全取引を取り締り、
中国国内での流通が、大きく制限されることが判明しました。
余談ですが、
環境変化の激しい、暗号資産(仮想通貨)市場においては、
今月取引開始された『インターネットコンピューター』が、
時価総額500億ドルを突破し、突如、全体8位へと台頭。
*因みに、現時点、『2100超』の暗号資産が存在します。
*既存法定通過が『約200』ですから、数として約10倍、
パラメータ(変数)の増大は、そのまま混迷へと続きます。
また、
マスク氏の発言で注目を集めた『シバイヌ』も、値動きが荒く、
同資産を寄付された慈善団体も、現金化できず困惑する事態に。
評価額として、
刹那的に『15億ドル』を記録していても、換金できなければ、
果たして、本当に、その価値があるのか疑わしいですよね(笑)
更に、
暗号資産(仮想通貨)市場にネガティブな意見が広がっており、
『インフレヘッジ』の可能性でも、懐疑的な見方が広がります。
古来から、
代表例では『金:gold』がそのポジションを担って来ましたが、
この伝統資産でさえ、完全には、その役割を果たせていません。
まして、
前述の通り、えげつないボラティリティ(変動幅)の暗号資産を、
『インフレヘッジ資産』と見做す方が、常軌を逸していますよね。
私自身、
『現時点では』という枕詞を付けさせて頂きますが、
暗号資産(仮想通貨)は『ギャンブル』と考えます。
半年程前、
上記のことを理解した上で、某楽天ポイントを、
価格連動取引させようか試みたことがあります。
が、
法定通貨でいう所の、TTS・TTBの手数料率の高さを目にして、
一気にバカバカしくなり、一瞬で『やめる』決断を下しました。
仮に、
『遊び』であることが、完全に分かっていたとしても、
どうやら『ギャンブル』は性に合っていないようです。
果たして、暗号資産は【資産形成:投資】と呼べるのか??
この質問に対する、リアクション・判断の如何により、
あなたが『経済的基盤』を築ける人物かが分かります。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太