今日のテーマは、『最後の黒田サプライズは、日本市場の調整機能は適正化したか??』です。
昨日の公式ブログでは、
『最後の黒田サプライズ、日本経済は如何に』と題して、
先週、突如発動した、日銀の『妙手』をご紹介しました。
断っておくと、
『妙手』と言っても、それは国民サイドに対してでなく、
その手を指す『日本銀行』サイドから評価しているもの。
昨日も述べた通り、
現在、展開する金融政策の『方向性』を変えることなく、
次期総裁に、幅広い選択肢を残したままバトンを渡せる。
ただ、私自身、この動きは『ポジティブ』に評価します。
何故なら、
来年4月8日まで捨て試合で、無風・無策で過ごしても、
日本国民にとって、好ましいことは何も起こらないから。
しかし、
それは、日本が必ず『成長過程』に入ることは意味せず、
どちらに転んでいくかは、現時点、誰にも分かりません。
少しだけ整理すると、
昨日も触れた通り、現時点、日本が展開する金融政策は、
欧米諸国が展開しているそれと、完全に一線を画します。
実際、
欧米諸国は、インフレに起因した物価上昇を抑制する為、
政策金利を上げて、経済を『引締め』る方向に動きます。
対して、
日本は、長期金利の誘導目標は、未だ『0%』のままで、
欧米諸国とは逆方向、『金融緩和』へと舵取りしている。
今回のサプライズは、
あくまで、長期国債の変動許容幅を、現行0.25%から、
『0.50%』に拡大したことに重きを置いているのです。
これについては、
黒田東彦・日銀総裁の記者会見で、次に示すような表現、
『市場の調整機能を適正化する為』が使われていました。
そもそも、
諸般の事情で、長く日本の金利は押さえ込まれています。
その方法は、
以前もご紹介した『指し値オペレーション』なる手法で、
金利0.25%を超える場合、日銀が無制限に買い入れる。
*購入上限額は定められていますが、実質は無制限です。
それ(政府・中銀の介入)なしでは、幾ら独立事象でも、
これだけの『金利差』が成立し続けることはありません。
それでは、
変動許容幅を『0.50%』に拡大したとして、果たして、
市場の調整機能は、本当に『適正化』されるでしょうか。
残念ながら、この点については、回答はネガティブです。
それも当然で、上限金利を『0.50%』に定める時点で、
日本国債が適正評価されているかは、誰も分かりません。
いや、
『適正に評価されてない』ことは、誰から見ても自明で、
『適正な水準が分からない』という表現が正しいですね。
冒頭述べた通り、『新たな動き』があることは歓迎です。
しかし、
日本市場は、マスキングされた『リスク』を孕みながら、
2023年以降も、展開していくことをご理解ください。
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次回以降【資産形成セミナー】の開催は完全に未定です。
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