今日のテーマは、『日本は、本気で少子化問題を解決するつもりはないと知ること』です。
今年に入り、岸田政権が肝入り施策として展開している、
『異次元の少子化対策』なる言葉が注目を集めています。
主軸は、
『出産一時金の増額』『児童手当の更なる拡充』ですが、
両方とも、草案通りに実行されればインパクトは大きい。
もちろん、
これにより、少子化問題が全て解決すると考えませんが、
少なからず、社会にポジティブな影響は与えるでしょう。
前者(出産一時金の増額)については、
新たに増額する原資(8万円分)を捻出する財源として、
後期高齢者医療制度からの費用負担も議論に上がります。
これは、
新設一時金総額(50万円)の7%相当を拠出する案で、
限定的ですが、高齢者にも負担を強いる内容となります。
恐らく、
高齢者層を中心に、大きな反響・批判もあるでしょうが、
長期国家が繁栄するには少子化問題を避けて通れません。
ここに来て、ようやく聖域にもメスが入り始めましたが、
斜陽国家・日本を立て直すには、致し方ない対応策です。
後者(児童手当の更なる拡充)は、
1つは、昨年10月に新設された『所得制限撤廃案』と、
児童手当の『支給年齢(18歳まで)引き上げ』が争点。
制限を受けている身として、個人的に改革は大歓迎です。
児童手当とは、
基本的に3歳未満の児童を持つ家庭で『月額1.5万円』、
以降中学生卒業まで『月額1万円』支給される制度です。
しかし、
昨年(2022年)10月に所得制限が設けられており、
特例支給(月5000円)か、最悪不支給の場合もある。
会社員であれば、
不支給に該当する方々は『年収1200万円』程であり、
正直、そのレベルでは『高収入』でも何でもありません。
先日、
国会で議論された内容は、所得制限が撤廃されない場合、
今後10年間における不支給総額は『1.1兆円』程とか。
決して、
それ(児童手当の所得制限)が全原因とは言いませんが、
間違いなく、少子化問題解決に向けて抑止力になります。
完全に時代の流れと逆行しており、意味が分かりません。
視点は少し異なりますが、
『所得税』の負担額を決定するための新たな方法として、
『N分N乗:世帯課税方式』の導入も議論されていますね。
こちらは、
第二次世界大戦終了後、フランスで導入された制度です。
簡単に説明すると、
世帯所得を家族係数(大人1、子供は原則0.5)で割り、
家族係数『1』あたりの所得税額を算出するというもの。
その数字(税額)を、家族の係数分掛け合わせることで、
世帯全体としての『所得税総額』が決定される運びです。
必然、
子ども(係数0.5)を持つ家庭ほど税負担が軽減されて、
間接的に『少子化対策』に寄与すると期待されています。
この制度に対して、
複数の政治家から反対意見が挙がりますが、その理由は、
現行制度と比較して、高所得者ほど税負担が軽くなると。
いやいや、その議論のフェーズは、既に終わっています。
本気で『少子化問題』を解決する気はあるのでしょうか。
もしも、
本気で『公平性』『富の再分配』を考えているのならば、
政治家は、自らの高過ぎる議員報酬等を返還すれば良い。
それとも、
自分自身は『特別な存在』だと考えているのでしょうか。
未だ、不毛な議論が繰り返されていることから考えると、
日本が本当に『少子化問題』を解決するのは不可能です。
その弊害は、主に『社会保障』の分野で顕在化していく。
他者(国家・社会)に依存することなく、自ら思考して、
『やるべきこと』を粛々と実行していく覚悟が必要です。
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今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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