今日のテーマは、『社会保障システムの破綻は、将来的に生起確率100%で起こり得る』です。
昨日、一昨日の公式ブログでは、
日本の一般会計予算における歳出の肥大化について触れ、
国債費と社会保障費が筆頭格にあることを紹介しました。
この2項目は、どちらも甲乙を付けられない大問題です。
前者については個人の事例で考えたら分かり易いですね。
例えば、
自らの収入(国は税収)を超えて借金生活を送る人間が、
果たして経済的に健全な状態にあると言えるのだろうか。
世の中には、
消費者金融や闇金の他、カードローンやキャッシング等、
一旦手を出すと、取り返しがつかない罠が潜んでいます。
客観的に見て、
バブル崩壊後、日本国は慢性的な赤字経営を続けており、
その累積債務は、危険水準のGDP比200%軽く超える。
この状況で、
反対に、『健全だ』『挽回可能』と考える人がいるなら、
どのような思考回路をすればそれが成立するか聞きたい。
また、
後者(社会保障費)も、少なくとも今世紀の終盤までは、
課題が解決する見通しが立ってないというのが実情です。
何故なら、
それは人口ピラミッド(年齢別構成人口)の歪化という、
簡単に解決しない構造的欠陥が大きく起因しているから。
実際、
シビア過ぎる予測をも遥かに上回る速度で少子化は進み、
これからの数十年間、日本は大きく労働人口が失います。
反対に、
社保を始め様々なサービスで受給サイドとなる高齢者は、
今の40代以降が大きく数を減らすことなくシフトする。
先日、
国立社会保障・人口問題研究所が公表した推計によると、
2050年時点の人口は、東京を除く26道府県で減少。
さらに、
東北エリアを中心に人口が3ー4割減少する地域もあり、
高齢者人口が4割を超える地域も25道県あるとのこと。
今後20ー30年間が、
日本にとって『転換点』にあることを端的に示している、
これ以上ない、分かりやすいデータとして認識しました。
また、
完全に別の報道では、政府が進めたとされる歳出改革で、
社保費が削減されたという事例のウソが暴かれましたね。
確かに、
歳出改革の削減分は3300億円あるものの、相対して、
医療・介護従事者の賃金引き上げに伴う保険料上昇分が、
3400億円あり差引き100億円増加するというもの。
なぜ簡単にバレてしまう嘘をついたのか、完全に謎です。
他にも、
今週26日、厚生労働省は会社員が加入する厚生年金で、
高所得者の保険料を引上げる案を審議会に提出しました。
これにより、
現行、月収63万5千円の等級で頭打ちとなる保険料は、
上に新たな等級が設定され、より高い料率で徴収される。
もちろん、
今回のそれにより社会保障の問題が完結するはずがなく、
全体的な料率引き上げはこれからも段階的に行われます。
社会保障システムの破綻は、確率100%で起こり得る。
それに対するサインは、日常的に発信され続けています。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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