今日のテーマは、『残る実弾はあと2発、日本にとっては負けられない戦いが続いている』です。
昨日の公式ブログでは、
『円安は行き過ぎという評価は意味を為すか』と題して、
理論値の概念に本質的な意味はないことを紹介しました。
これは、
決して『為替』の世界だけに限定されることではなくて、
凡ゆる物事に共通して『机上の空論』は価値を持たない。
実際、
理屈の上で成立しても、現実世界で合致しないことなど、
私たちの日常生活において無数に散見されていますよね。
為替の世界も同様で、
目安として『理論値』を算出するのは個人の自由ですが、
あらゆる情報を織り込んで市場で表れた結果が全てです。
昨日も触れた通り、
対基軸通貨『1米ドル=155円』を易々と突破した今、
次なる節目の『160円』は、確実に射程圏に入ります。
大型連休直前、
陽気も手伝い、日本国内は浮かれモードに突入しますが、
為替市場から目を離せず、緊張感が張り詰める状況です。
これまで、
公式ブログにおいて、日本政府の口先介入を揶揄する際、
私は『弾切れ』『原資なし』と繰り返し述べてきました。
しかし、
当然ながら、これは全くの『ゼロ』を意味していません。
もし仮に、
国家として外貨準備の『米ドル』が本当にゼロであれば、
即座に資金ショートして経済的観点で死んでしまいます。
日本に限らず、外貨準備の完全ゼロは有り得ない訳です。
それでは、日本国の外貨準備はどれ程あるのでしょうか。
これは、
2024年3月末で1兆2906億ドルと言われており、
日本円換算で『200兆円』にも迫る超巨大な規模です。
しかし、
このうちの大半を日本は『米国債』として保有するため、
この資産は、米国の承認なしに売却することなど不可能。
表向き、
一応は日本の『保有資産』という名目になっていますが、
この部分には日本の『自由意志』が反映されていません。
そうなると、
円買い介入を実行する際の原資はドル預金に限定されて、
その額は約1550億ドル、僅か20兆円超の金額です。
因みに、
前回の介入では『約5円』の円高回帰効果が発揮されて、
その際の原資は『9兆円』規模だったと言われています。
それを考慮すると、
日本の米ドル預金を原資とした介入の実弾は残り2発で、
ゼロに出来ないことを含めると、実質的にあと1発です。
この数字を見ても、ギリギリな状況が理解出来ますよね。
文字の通り背水の陣、負けられない戦いが続いています。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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