今日のテーマは、『最低賃金の引き上げは、果たして、労働生産性を向上させるか??』です。
先日の公式ブログでも、少し取り扱ったテーマです。
何故か(?)、
『新型コロナ問題』が収束しないこのタイミングで、
日本政府は、最低賃金引き上げ方針を決定しました。
『何故か』と記載しましたが、実は理由は明白です。
少しだけ考えてみれば、理解することが出来ますね。
実際、
『最低賃金:引き上げ』という方針決定に対しては、
国民の大多数を占める被雇用者には、歓迎されます。
『目先の収入』がアップすることに対して、
ネガティブに捉える人は、ほとんどいない。
大多数を占める国民に好意的に捉えられることは、
選挙戦を闘う上で、非常に大きな意味を持ちます。
只でさえ、菅政権は歴史的低支持率に留まります。
『東京五輪』を強行開催に踏み切った事を考えても、
早急に、支持率回復にも『手打ち』する必要がある。
要は、次回の選挙戦を見据えた『票集め』の為です。
完全に、『政治利用』されてしまった政策決定です。
本来、
日本国に限らず、『政治家』という職業に就く方は、
中長期的な『国家繁栄』を見据える能力が必要です。
例えば、
『100年先、200年先』を考えて政治をする時、
その時間感覚は、自らの『一生涯』を超えますよね。
そういう視点で物ごとを考える時、当然の話ですが、
自己利益を超える為『抽象思考能力』が求められる。
しかし、
凡ゆる分野に共通して『理想』と『現実』は異なり、
抽象思考能力のある『崇高な政治家』は存在しない。
実際、
彼ら、彼女らが考えるのは、自らが次回当選する事と、
良くて、自らの子供(親族)が政治家になることです。
『抽象思考』とは対極にある思考回路で働いています。
彼ら、彼女らに期待することは、やめておきましょう。
本題(最低賃金:引き上げ)に話を戻します。
2021年6月、
日本政府により決定された『骨太の方針』の中では、
国内最低賃金を海外諸国並にする事が示されました。
具体的数字として『時給1000円』を目指します。
この数字自体、
基軸通貨:米ドル換算では『10ドル未満』であり、
欧米先進諸国から見て、見劣りすることは事実です。
ただし、
それ以上の数字を目標においても、現状からは乖離し、
それこそまったく『リアリティ』が無くなってしまう。
今回示す『時給1000円』という最低賃金水準は、
現時点、定めることが出来る上限値かも知れません。
かねてより、
日本政府は、この『最低賃金』の話題を議論する際、
『エビデンスに基づく政策立案』を掲げて来ました。
ただ、
現実には、今回の決定に対してもエビデンスはなく、
単なる、国民に対する『機嫌取り』になっています。
例えば、
菅首相のブレーンとされる某人物は、自らの持論として、
『賃金引上げは、生産性向上に繋がる』と言い切ります。
つまり、
人間は『賃金』を上昇させるとモチベーションアップし、
それ(対価)に見合う働きをするようになると言います。
一見、正しそうにも聞こえる理論ですよね(笑)
しかし、
現実には、それを裏付ける『エビデンス』は存在せず、
現時点は『真偽不明』というのが真実となっています。
個人的には、この意見は『真逆の結果』と考えますが。
実際、
『宝くじ』に高額当選した人間のうち、大半の人物が、
短期的思考で仕事をやめてしまい転落人生を歩みます。
また、
『相続』等の理由により、器を超える資産を得た方々も、
宝くじ当選者と同様に、堕落した人生を歩むことになる。
要は、『泡銭』を得ることで、人は身を滅ぼすという事。
仮に、
本当に『労働生産性』が上がり、価値創出することで、
『労働賃金』が上昇するのであれば、良いと考えます。
しかし、
『価値創出』なくして、『最低賃金』を引き上げても、
人間は弱い生き物で、楽して対価を得ようと考えます。
そして、
雇用主である企業・事業主は、事業継続出来ない為に、
中長期期には『雇用』を減らしていくことになります。
『現実世界』で展開する政策を『机上の空論』を基に、
経済学者に考えさせても、何1つ利点が無いですよね。
流川楓の『バスケットは、算数じゃねえ』の言葉が蘇ります。
多くの人々は『権利』と『自由』を履き違えています。
もしも、
自らがそれらを主張するのであれば、対として存在する、
『義務』と『責任』も、併せて、引き受ける必要がある。
安直なる『最低賃金:引き上げ』は、中長期的視点では、
被雇用者サイドの首を締める結果となると考えています。
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