今日のテーマは、『年金問題をめぐるババ抜きゲームは、これからも延々と繰り返される』です。
先週末の公式ブログでは、
『上場企業の会社員が勝ち組になれない理由』と題して、
年金問題の皺寄せをくらう会社員の苦悩を紹介しました。
全体的な話からすると、年金制度は完全なオワコンです。
それは、
運営方法が良ければ、順調に機能したという話ではなく、
国内の人口ピラミッドが大きく崩れてしまった事が主因。
ただ、
戦後の復興期の出生ペースが永遠に続くことも考え難く、
自然の摂理として、日本に栄枯盛衰が起きただけのこと。
人の力では避けられない、仕方のないことだと考えます。
そして、
自然科学の世界では『仕方がない』と分類される事も、
変遷期に生きる私たちには痛手が伴うということです。
昨日も紹介した通り、
厚生労働省が検討に入った老齢基礎年金の減額抑制策は、
取りっぱぐれのない源泉徴収システムで財源が恵まれる、
会社員の方々の厚生年金積立金を活用(補填)すること。
もちろん、
事業主対象の国民年金も保険料は年々増加していますが、
厚生年金の保険料率の上昇は比較にならないほど大きい。
制度として、
保険料を自主納付することが原則の前者(国民年金)は、
急激に上げ過ぎると未払い割合を増やすだけですからね。
その点、
会社員を対象とする源泉徴収は極めて有効なシステムで、
管理者サイドの視点ではフル活用しない手はありません。
恐らく、
これからの時代も、基本的な方針は変えられることなく、
年金問題に関して、会社員は苦境に立たされつづけます。
また、
年金関連で言えば、前述の議論が開始するのと同時期に、
iDeCo(個人型確定拠出年金)拡充の話も出て来ました。
こちらは、
現行、事業主6.8万円、会社員2.3万円の月掛金上限を、
明確な数字は出ていないものの、引き上げるという議論。
実現すれば、
公的年金を主に管轄する厚労省・金融庁には妙案ですが、
もちろん、単純に実行できないことには理由があります。
何故なら、
iDeCoの掛け金は課税所得から差し引くのが原則のため、
上限金額が引き上がれば、全体の税収も確実に減ります。
ただでさえ、
一般会計は、毎年の赤字運営で借金を積み上げている中、
切り盛りする財務省としては簡単に『YES』を出せない。
それでも、
年金問題が少しでも快方に向かえば社保費も縮小する為、
長期的視点で見たときメリットがない訳ではないですが。
理系の方は理解される通り、
パラメーター(変数)が複数存在する方程式においては、
単一の場合と比べて最適解を導くことが困難になります。
理屈としては、
幾つかの変数を固定して解を探るアプローチなのですが、
現実世界では人の思惑が絡まり合い上手く機能しません。
年金問題をめぐるババ抜きゲームは、延々と続いていく。
私たちはこれからも『道なき道』を進むことになります。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太