今日のテーマは、『なぜ愚かな人たちほど、率先して第3の税金を支払おうとするのか』です。
一般的に、
現代に生きる私たちに課される可能性があるものとして、
税金は大きく『3種類』に分類されると言われています。
1つ目は、
収入を得ると課される所得税や、居住地に支払う住民税、
その他一般に『税法』により規定されているもののこと。
2つ目は、
公的年金や健康保険をはじめとした社会保険料のことで、
こちらは正式区分では『税金ではない』とされています。
しかし、
国民サイドに選択権のない強制徴収システムである事と、
滞納した際は厳しいペナルティがあることを考慮すると、
本質的には『税金に等しい』との認識で良いと思います。
そして、
3つ目は、唯一、徴収を回避できる可能性があるもので、
宝くじやギャンブルを通して能動的に支払うもののこと。
世の中には、
合法・非合法さまざまに無数に存在しているようですが、
それらに共通するのは期待値が『1』を下回ることです。
つまり、
胴元に対して圧倒的に有利なシステムが構築されており、
試行回数が増えるほど利益は『ゼロ』へと収斂していく。
にも関わらず、
日本全国のギャンブル場から人がいなくなることはなく、
宝くじ売り場が廃業したという話もまったく聞きません。
何故なら、
愚かな人たちほど課される性質をもつ『第3の税金』は、
多数派を占めるボトムラインにより支えられるからです。
そして、
一見すると、摩訶不思議にも思えるこの行動の正当性は、
ノーベル賞受賞の経済学者ダニエル・カーネマンにより、
行動経済学なる学問を通じて、明快に説明されています。
要約すると、
失うものがない、若しくは経済的に追い込まれた人ほど、
プラスとなる出来事の生起確率を過大に評価してしまい、
極端に『リスク追求志向』に走りやすくなるというもの。
例えば、
100万円を賭ければ99.99%の確率でそれを失うが、
0.01%の確率で1億円得られるギャンブルを考えた時。
既に、
金融資産として1億円超を保有している人たちの大半は、
高い確率で100万円を失うこのオファーを受けません。
しかし、
追い込まれた人間は、0.01%の幸運を過大に評価して、
1万分の1の存在になり得ることを盲信して疑いません。
その結果、
恐ろしく不利(ほぼ100%の確率で負ける)な賭けを、
魅力的なオファーだと勘違いして、応じてしまうのです。
因みに、
モデル・ケースで考えた事象の期待リターンは1万円で、
掛け金がそれを下回る場合にのみ選択の余地が生まれる。
小学校で習得した算数は、実社会で正しく使いましょう。
もし仮に、
あなたが人生を懸けて『経済的自由』を実現したいなら、
先ずは、取り急ぎ『第3の税金』の支払いをやめること。
それでも、
ギャンブルを通じてドキドキ・ワクワクを感じたいなら、
株式市場には、期待値が1を超えるものが存在している。
それらを正しくプレーする方がよほど建設的と考えます。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太