今日のテーマは、『50年の時を経て、凡ゆる社会保障システムは破綻に向かう』です。
昨日の公式ブログでは、
『2000万円問題は早々に破綻している』と題して、
リタイア後の生活に生じている『歪』を指摘しました。
2022年、
老後生活を『年金』に依存出来ると考える人はおらず、
誰しも自助努力の必要性を感じているはず(?)です。
しかし、
目指すべき目標(最低値)は大半の国民にとって酷で、
数字として『5000万円』が1つの基準になります。
もしも、貨幣価値の減少速度が増せば、それ以上です。
そして、
本日の話題は、もう1つの社会保障制度:健康保険で、
ご存知の通り、年金制度同様に崩壊へ向かっています。
先日、
主に、大企業の会社員で組織される健保組合の総本山、
健康保険組合連合会が最新の財政状況を公開しました。
それによると、
全国に『1387』ある組合中、実に8割に匹敵する、
『1080組』が既に赤字経営に陥っているとのこと。
全体の数字として、
『8兆1181億円』の経常収入(保険料)に対して、
支出は『8兆6279億円』と5098億円マイナス。
健康保険料の金額は、所得に応じて決定されている為、
コロナ禍、加入者(会社員)の収入源が響きましたね。
それでも、
短期の変動要因ではなく、より『本質的な問題点』は、
ここでも、少子(超)高齢化が進展していることです。
簡単ですが、少しだけ『基本情報』を整理しましょう。
先ず、
健保組合が『給付』を行うのは、加入者の医療費負担と、
各種イベント(出産、死亡etc.)に伴う手当金支給です。
こちらは、健康保険制度の『そもそも』的な部分ですね。
そして、
意外にも、世間一般の認知度はあまり高くありませんが、
高齢者医療に対する、『上納金』なるものが存在します。
*『上納金』は私の表現で、一般的には『拠出金』です。
さらに、上記の『拠出金』も大きく2つに分けられます。
75歳以上の医療を支えている『後期高齢者支援金』と、
65歳〜74歳が対象となる『前期高齢者納付金』です。
話題の本質とは逸れるため、ここでば深掘りしませんが。
昨年(2021年)、
給付金(加入者自身の医療費)は前年比1.5%減る一方、
拠出金(高齢者医療に対する上納金)は同3.6%プラス。
実に、
義務的経費(給付金と拠出金の総額)全体として見た時、
拠出金(高齢者医療上納金)は『46.6%』を占めます。
更に、
上記の数字(46.6%)は、健保連全体の平均値であり、
単体では、50%超の組合が全体の4分の1存在します。
会社員の方々は、果てしなく搾取(?)されていますね。
現行でさえ、
給与・賞与額に対する保険料率は平均『9.23%』あり、
これ以上、安易に上げていくことは反発を招きそうです。
それでも、
『赤字経営』を解決すべく、必要保険料率を算出すると、
全体平均『10.06%』と、大台突破してしまいました。
実は、
ここはとても重要なポイントで、保険料率『10%』は、
『健保組合』を解散することも視野に入れる分水嶺です。
何故なら、
中小企業に勤める人が加入する『協会けんぽ』のそれが、
全国平均として現在『10%』程度と言われているから
因みに、
『協会けんぽ』には、年間1兆円超の国庫補助がある為、
財政支援のない健保組合よりも労使負担は軽減されます。
そこまで考慮すると、健保組合の解散は相次ぐでしょう。
実際、
それは加速していて、冒頭で『1387』とした組合数も、
30年前のピーク時点では『1827』存在していました。
実に、30年間で4分の1(440)が消滅したんですね。
社会的背景を考慮すると、今後もその潮流は変わりません。
振り返ると、『国民皆保険制度』が出来たのは1961年。
国民全員が『公的医療保険』に加入することを引き換えに、
所得に関係なく一律に医療を受けられる理想的な制度です。
その『理想郷』も、50年の時を経て崩壊しつつあります。
『古き良き時代』とは、未来永劫、継続するものではない。
私たちは、その事実もきちんと理解した方が良さそうです。
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