今日のテーマは、『覇権国:米国の債務問題と日本のそれは、何が異なるのか??』です。
一世紀に渡り世界経済を牛耳り、覇権国のはずの米国が、
目下デフォルト(債務不履行)リスクに晒されています。
より正確に表現すれば、『デフォルトリスクに晒される』
というフレーズの後に『と言われている』が続きますが。
実際、
連邦政府が借入限度額を定めた債務上限の引上げを巡り、
バイデン政権と野党・共和党の対立は現在も継続中です。
米・財務省は、
資金繰りの行き詰まるXデーは『6月1日』だと示して、
債務発行が出来ない場合、デフォルトすると警告します。
先日5月9日、
大統領はマッカーシー下院議員との会談に臨みましたが、
交渉決裂、G7サミット欠席の可能性すら示唆しています。
当然ながら、
覇権国・米国のデフォルトは同国だけの問題に留まらず、
もし仮に起これば、世界経済全体に波及することは必至。
もちろん、
それが起これば、資本主義システム自体が終焉するので、
回避すべく、最優先事項として取り組む『ポーズ』です。
しかし、
結論からお伝えすると、21世紀の覇権国である米国が、
デフォルト(債務不履行)に陥るリスクは限りなくゼロ。
確かに、
対GDP(25兆ドル)125%は日本よりはマシですが、
『31兆円』を超える国家債務は、断トツの世界No. 1。
以前から、
日本の恒常的な『借金体質』について言及していますが、
米国は同等か、それ以上に起滅的な状況かも知れません。
それでも、
債務上限引上げや一時停止を可決しなかった過去はなく、
債務上限とXデーの話題は恒例行事になりつつあります。
理屈で考えれば、
31兆ドル(4000兆円)超の国家債務は返済不能で、
それは減少するどころか、今後も増加の一途を辿ります。
しかし、
覇権国・米国と日本の決定的違いは『基軸通貨特権』で、
発動機を回せば、いつでも『米ドル』の増刷が可能です。
もし仮に、
それが出来なくなる時が来るならば、その理由は2つで、
①米国が世界経済の覇権を、他の国に奪取されるときか、
②資本主義経済自体が立ち行かなくなり、終焉するとき。
もちろん、
どちらの選択肢も、可能性は『ゼロ』ではありませんが、
今、この瞬間に起こり得ることも考えにくいと思います。
奇しくも、
日本の財務省は10日、2022年度末時点においての、
借金(国債、借入、政府短期証券)総額を公表しました。
それによると、
日本の国家債務は『1270兆4990億円』にのぼり、
新型コロナや物価高対策等で、増加ペースが加速します。
そして、
米国のそれが、現実的に永久繰延べ可能なものに対して、
日本のそれは、将来的に必ず返済を求められるものです。
一言に『国家債務』と括っても、そもそもの性質が違う。
覇権国と見比べて安心感を得る方法は通用しないのです。
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