今日のテーマは、『果たして、国家はインフレーションを本気で止めようと考えるのか??』です。
2022年初から、
程度の差こそあれ、日本を含めて、世界各国に共通して、
インフレ進行していることは、繰り返し伝えて来ました。
先ずは、そもそもの『言葉』の定義から確認しましょう。
何故かと言うと、
恐らく、世の中の大半の方々が『インフレーション』と、
『物価上昇』という言葉を、完全に混同してしまうから。
両者(インフレ・物価上昇)は全く同義ではありません。
インフレーションとは『貨幣価値が下落すること』です。
対して、
『物価上昇』は読んで字が如くと言えますが、こちらは、
『インフレーション』という要因以外も起こり得る現象。
つまり、
両者は、部分的な『相関関係』は成り立っているものの、
完全なる別事象で、区別して考えられるべきと考えます。
整理すると、
2022年現在、世界各国に共通して起こっている事は、
インフレ(貨幣価値下落)と、それに伴う物価上昇です。
本題に入ると、
欧米を中心に猛威を奮うインフレーションに対応する為、
(一部の国家を除き)政策金利の利上げが実行されます。
何故なら、
貨幣価値が下落すると、国民の保有資産は実質目減りし、
それに伴う物価上昇で、国民生活は窮地に立たされます。
これが、
『国家』にとって影響があるかの議論は後に譲るとして、
そのまま放置すれば、次回の選挙戦には響きそうですね。
その為、
各国政府は国民サイドに『ポーズ』を取る意味も込めて、
政策金利の『利上げ』という戦略を展開しているのです。
また、
社会を巡るお金の循環速度が遅くなれば、経済も悪化し、
歳入(税収)が落ち込むため、直接的な痛手を被ります。
そう考えると、
確かに、たとえ、表向きの『ポーズ』であったとしても、
『インフレ対策』を講じることは必要ありそうですよね。
しかし、
『デメリット』のみを一方的に被る国民サイドと異なり、
国家サイドは、享受する『メリット』も存在しています。
何かと言えば、
数字として確定している『国家債務』の話で、こちらは、
貨幣価値が下落するほど、実質的な債務も目減りします。
最近では、『インフレ税』と表現されているようですね。
実際に、
コロナ禍、金融緩和を進めた結果の貨幣価値下落により、
欧米諸国は『4.5兆米ドル』の債務軽減に成功しました。
日本円換算で『600兆円』にも迫る、大きな数字です。
『税収』で賄おうとすると調達に苦慮する規模の金額も、
『インフレ』を進行させることで、簡単に実現可能です。
そもそも、
『インフレーション』を推し進める(容認する)政策は、
『債務』を抱える国家にとって、伝統的な常套手段です。
これが、
財政基盤が脆弱な発展途上国等になってくると、その先、
デノミネーション(貨幣価値切下げ)まで射程圏に入る。
国内メディアは報道しませんが、直近も起こっています。
一見して、数字上は変化しない資産目減り・債務転嫁を、
国民サイドが、正しく見抜いて、対策を講じていくこと。
この視点も『資産形成』を実行する上で必要不可欠です。
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