今日のテーマは、『財政問題に対する楽観論者は、誰目線の意見を述べているのか??』です。
昨日の公式ブログでは、
『資本主義は金融緩和の上に成立するジレンマ』と題し、
極めて依存性の強い『麻薬』についてご紹介をしました。
その中で、
金融緩和の副作用として、直近10年間、世界全体では、
『1兆米ドル超』の債務を積み上げた事に触れています。
現行為替レートで、日本円に換算して『130兆円超』、
世界全体のGDP総額にも匹敵する、超巨大な金額です。
そして、
私たちが居住する日本国は、例に漏れずどころではなく、
長い期間『債務』を積み上げ続けている国家の筆頭です。
一般会計予算に対して、
少子高齢化に伴い増大する『社会保障費』は3割を超え、
償還・利払いに充当する『国債費』は2割強占めている。
両者(社会保障費、国債費)を合わせると2項目だけで、
年間の国家予算の『50%』を超える壊滅的な状況です。
必然、
プライマリー・バランスが黒字化する見込みなどはなく、
国家債務の総額は『1241兆円超』の天文学的数字に。
因みに、
上記の『1241兆3074億円』は昨年度末の数字で、
2023年3月末時点では、更なる悪化が予想されます。
現時点、
国内総生産は円換算で『500兆円台』を推移しており、
前述した債務総額は、対GDP比で『約250%』の水準。
2000年代に入り、
デフォルトを経験したギリシャ、ドミニカ、エクアドル、
コートジボワールも債務比率は『200%未満』でした。
それを超える水準が、いかに厳しいものか理解出来ます。
冷静に考えて、この規模の債務は、到底返済不可能です。
しかし、
このように、どう見ても『悲観的な状況』にも関わらず、
日本財政に対して『楽観的な人達』が一定数存在します。
果たして、
彼ら・彼女らは、どのような『視点』から物事を判断し、
『楽観的な意見』を展開し続けているのでしょうか??
彼ら・彼女らが、
『楽観論』を展開している理由を、具体的に見てみると、
日本国が財政破綻しない(とされる)根拠は2項目です。
1つ目は、
日本国債は『円建』で発行されており、通貨の発行権を、
政府が保有する間は、比較的容易に資金調達できるから。
そしてもう1つは、
日本国債は『約96%』が日本国内で消化されている為、
日本の『借金問題』はお家騒動として国内完結するから。
もしも、
この説明を聞いて、皆さんが納得しているのだとしたら、
それは完全に洗脳されて飼い慣らされてしまっています。
何故なら、
前述した2つの意見は、国家債務の最終的な償還方法を、
国民資産で補填するという思考が根底にあるものだから。
つまり、
日本の財政問題に対して、『楽観論』を展開する人間は、
私たち『国民サイド』の視点から意見を述べていません。
それは『管理者(政治家)サイド』の視点から出る意見。
その人物が、どの視点から物事を見て、意見しているか、
それを見抜く能力(眼力)も、とても大切だと考えます。
甘い言葉(楽観論)ばかりの人間は、信用が出来ません。
——————————————————————–
2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
*ビジネスに関するお問い合せは、直接ご連絡ください。
*井上耕太事務所(代表)michiamokota0421@gmail.com
——————————————————————–
井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太