今日のテーマは、『預金金利100倍により、隠れた100兆円の大移動は起こるのか??』です。
11月に入り、メガバンクを中心に金融機関は相次いで、
定期預金金利の『引き上げ』をアナウンスし始めました。
具体的には、
三菱UFJ銀行は預入れ5年以上の定期預金が対象となり、
10年物については現行水準100倍の0.20%を提示。
また、
三井住友信託銀行は、5年ものの金利を0.10%として、
通常の7年もの定期預金金利も同等水準に引き上げます。
どちらも、
前回の預金金利引き上げは10年以上前の出来事であり、
その意味では、歴史的イベントと言えるかも知れません。
今回、
金融機関が相次いで預金金利を引き上げた理由の1つは、
日銀の金融政策転換により、国内金利が上昇する状況で、
それだけを引き上げないことは、理解が得られないから。
実際に、
銀行はこの動きに先行して、住宅ローン等に代表される、
各種融資の金利について既に引き上げを実行しています。
もう1つの理由は、
隠れた金持ちである日本人が、密かにタンスに貯め込む、
『100兆円』を超えるとされる資産を獲得する事です。
確かに、
預金金利が『ゼロ』なのであれば、特に理由がない限り、
わざわざ金融機関に『預金』をする必然性はありません。
それでは、
現行水準の『100倍』という、今回の金利上昇により、
『100兆円』の大移動は起こり得るのでしょうか??
結論から言うと、大局的な視点では変化は起こりません。
基本的に、
タンス預金(隠し資産)を高額保有する人々の共通点は、
間違いなく高い『金融リテラシー』を保有していること。
その為、
『現行水準の100倍』といった小手先のトリックでは、
彼ら・彼女らを騙すことなど不可能だと考えるからです。
仮に、
三菱UFJ銀行が提示している最高金利の『0.20%』で、
原資『100万円』を10年間運用すると考えましょう。
計算は端折りますが、
税引き後の実質金利『0.16%』で複利運用するとして、
10年後のゴールは『約101.6万円』と算出されます。
流動性を奪われたことに対し、完全に金利が見合わない。
更に言えば、10年という期間のインフレ率に負けます。
『現行の100倍』とキャッチーな言葉で表現されても、
本質的には日本市場は未だ『ゼロ金利』の真っ只中です。
仕掛けるサイドに騙されないよう精進して賢くなること。
資産形成を成功に導くには、とても大切なポイントです。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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