今日のテーマは、『囚人のジレンマに陥る日本に、財政問題の解決策は存在するのか』です。
改めて言うまでもなく、慢性的な借金体質に陥る日本は、
現在、赤字大国として世界トップランカーを直走ります。
2022年末時点、
史上初めて、普通国債は発行残高1000兆円を突破し、
約1006兆円に上ることが財務省から公表されている。
因みに、
原則、普通国債は税収により返済する必要があるもので、
年間70兆円規模の現状を考慮すると完全に絶望的です。
また、
皆さんご存知の通り、2023年以降も傾向に変化なく、
四半期毎に10兆円超の異次元ペースで増加しています。
冒頭では、
2022年末での1000兆円突破を話題にしましたが、
来年度末には次なる節目1100兆円を射程圏に捉える。
昨日、一昨日、
驚異的なスピードで進行する少子化を取り上げましたが、
累積債務の積み上がる速度も、負けず劣らず壊滅的です。
さらに、
財投債や借入金、政府短期証券なども合計したいわゆる、
国の借金総額は、これより悪くなり『約1257兆円』。
今年度末には、
これが、1300兆円を超えることも確実視されており、
600兆円規模のGDPに対して、250%を記録します。
因みに、
対GDP比200%超の巨額借金を積み上げておきながら、
経済的に無傷で済んだ国は、歴史上に存在していません。
個人的には、
その事実こそが『全て』だと考えるのですが、果たして、
現状のヤバさにどれ程の日本人が気付いているでしょう。
そもそも、認識する能力がないならば仕方ありませんが。
話を戻すと、
前述した通り、日本の財政問題をめぐる壊滅的な状況は、
当然のことながら、あらゆる方面に弊害を生み出します。
例えば、
目下、中央銀行・日銀が正常化に向けて奔走する金利は、
海外諸国と足並みを揃えて、上げ切ることが出来ません。
何故なら、
金利を上げると、当然、借金に対する利息も上昇する為、
巨額な累積債務が足枷となり、実行が不可能だからです。
実際、
財務省の試算では、26年度の金利を1.6%と置いた時、
国債費(償還・利払い)は年間29.8兆円まで上昇する。
2023年を基準として、この数字は20%の増加です。
もし仮に、
経済の健全性を高めるため、金利を正常化してしまうと、
日本国が立ち行かなくなるという笑えない話になる事も。
ここで、
タイトルに採用した質問文に戻ると、日本の財政問題を、
(国民に無傷で)解決する具体的な方法は存在しません。
少しシビアに聞こえるかも知れませんが、偽らざる事実。
私たち日本国民に出来ることは、正しく状況を把握して、
経済的有事が起こっても良いように準備をしておくこと。
安全領域はないですが、何もしないより絶対にマシです。
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2023年1月より【セミリタイア生活】に入っており、
オープン形式の【資産形成セミナー】の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太