今日のテーマは、『2025年度のPB(基礎的財政収支)黒字化は、果たして実現可能か??』です。
9月14日、
新藤義孝・経済再生担当相は、自身の就任会見の席上で、
改めて、日本の経済成長と財政健全化の必要性を述べた。
また、
2025年度のPB(基礎的財政収支)黒字化に関しては、
経済を成長軌道に乗せるなかで財政健全化があると強調。
これについて異論はなく、間違いなく正しい考え方です。
ただ、
私が指摘したいのはそこではなく、政府が目標に掲げる、
再来年度のPB(基礎的財政収支)黒字化に懐疑的な点。
結論からお伝えすると、先ず以って不可能だと考えます。
根拠は幾つかあります。
1つは『PB黒字化』の目標自体が、小泉純一郎政権以降、
20年以上掲げ続けられるものの、全く実現しないこと。
もう1つは、
現在の数字(日本の財政状況)に真正面から向き合うと、
目標達成が、いかに浮世離れしているか分かることです。
少しだけ情報を整理すると、繰り返し出て来る『PB』は、
プライマリーバランス(基礎的財政収支)を略したもの。
これは、
国債で賄う以外の歳入、つまり税収と税外収入の合計と、
国債費(国債の償還・利払い)を除く歳出の収支のこと。
2023年度、
日本国の税収は過去最大の69兆4400億円を見込み、
税外収入としても約9兆3000億円を計上しています。
対して、
歳出総額は、こちらも過去最大の114兆円超を記録し、
国債費(約25兆円)を除くと90兆円ほどが残ります。
つまり、
目標を達成するには、差し引き約10兆円のギャップを、
実質1年間(2024年度)の準備で埋めるということ。
目標達成のための難易度をご理解いただけるでしょうか。
森羅万象、あらゆる物事共通で可能性ゼロと言いません。
例えば、
来年度から突発的に消費税率を『20%』と決定すれば、
可能性は格段に上がりますが、選挙に負けてしまいます。
政治家の先生方の立場を考えると、こちらの解決方法も、
結局、実現する可能性は低いままなのかも知れませんが。
個人レベルで考えても、借金体質が長年染み付く人間が、
短期間のうち、劇的に体質改善しないことは明らかです。
組織の規模が肥大化した国家では、尚更かも知れません。
日本の財政健全化は、今のところ完全に『夢物語』です。
日本国民であれば、その事実は知っておく方が賢明です。
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今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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