今日のテーマは、『アジア有数の金融都市・香港は、果たして完全復活を遂げられるのか』です。
コロナ禍、
世界トップクラスに打撃を受けたと言っても過言でない、
アジア有数の金融都市・香港が少しずつ回復しています。
先日2月20日、
香港政府から公表された最新の人口統計データによると、
2023年末時点の居住者人口は、ジャスト750万人。
この数字は、前年比で『3万人』のプラスを意味します。
また、
死亡数が出生数を上回る自然減の約2万人を考慮すると、
流出を差し引いて、5万人超もの流入超過がありました。
2020年、
過去にSARSが蔓延した教訓から、厳しく行動を制限し、
単年で10万人規模の人口流出が起こってしまった同国。
その後、
流出速度は和らいだものの、人口減少の傾向自体は続き、
2022年の底として『734万人』まで落ち込みます。
単純に、
人口(居住者数)を増やせば良いわけではありませんが、
それでもその増加は経済規模に直結する重要な因子です。
V字回復について、
奏功の要因は幾つかありますが、香港政府が打ち出した、
人材誘致策『トップタレントパス』も大きく寄与します。
これは、
高度人材を呼び込むビザ制度で年収250万香港ドルか、
世界ランクトップ100内の大学を卒業した人材が対象。
ちなみに、
年収基準は、現行レートの日本円換算で約4800万円、
学歴基準は、国内で東京・京都の2大学のみの該当です。
一般人の感覚では、正に『トップタレントパス』ですね。
話を戻すと、
2023年、同制度を利用したビザ承認者は5.1万人で、
奇しくも、冒頭に挙げた流入超過数と等しいものになる。
さらに、
中国本土ー香港間の特別移民許可の制限まで考慮すると、
年間約5.4万人の定員は、この制度だけでほぼ満枠です。
このように、
年間約5万人のペースで香港に流入する高度人材ですが、
その大多数は、同国(香港)への永住を求めていません。
彼ら・彼女らの大半は、
最終的な目的地を欧米に定めて、将来的な移住を念頭に、
ステップアップの場所として『香港』を選択しています。
現在の状況について、
香港サイドからの観点でデメリットを挙げるとするなら、
中国と結び付きを強化することを海外がどう評価するか。
私自身、
政治的なことは専門外なので、言葉は控えておきますが、
経済面で本土の不動産リスクの煽りが懸念されています。
もちろん、
その不安要素については、香港政府も否定していますが、
海外諸国が、言葉を額面通りに受け取るかは未知数です。
世界的な人流が復活し、急速に回復する金融都市・香港。
完全復活を遂げられるのか今後も注目が集まっています。
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2023年1月より【セミリタイア生活】に入っており、
オープン形式の【資産形成セミナー】の開催は未定です。
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*井上耕太事務所(代表)michiamokota0421@gmail.com
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太